
大洪水神話 逃げたノアと、戦ったスサノオ――日本の洪水が「世界の終わり」にならなかった地質学的理由
前編では、「日本には大洪水伝説がない」という定説が実は半分ウソで、洪水の記憶は龍(ヤマタノオロチ)や開拓神話、そして沖縄・先島諸島の本格的な洪水型神話として、ちゃんと残っていることを見てきました。でも、まだ大きな謎が残っています。なぜ日本の...
大洪水神話 日本には大洪水伝説がない、はウソだった――消えたのではなく、龍と開拓の神話に姿を変えていた
「日本には大洪水伝説がない」。これ、実はけっこう広く信じられている定説です。世界史や比較神話学の本を開くと、メソポタミアのギルガメシュ叙事詩、旧約聖書のノアの方舟、ギリシャのデウカリオン――世界にはこれまでに200以上の洪水伝説が確認されて...
北欧神話 世界の大洪水神話 番外編(2) ユミルの血の海 ― 世界は、殺された巨人の亡骸から生まれた
洪水は、水ではなかった以前世界の大洪水伝説の記事内で、北欧神話の洪水にも一段落だけ触れた。原初の巨人ユミルが殺され、その血が大洪水となり、生き残ったのは巨人ベルゲルミル夫婦だけだった、という話だ。今回はインドの「マヌと魚」を掘り下げた番外編...
インド 世界の大洪水神話 番外編(1) マヌと魚 ― 手のひらの中から始まった人類
その魚は、人類滅亡を知っていたある朝、一人の男が川で手を洗っていた。ふと手のひらを見ると、そこに一匹の小さな魚がいた。魚はこう言った。「私を育ててくれ。そうすれば、あなたを助けよう」。男は戸惑いながらも、その言葉に従うことにする。この選択が...
大洪水神話 世界の大洪水神話(3) 聖書もギルガメシュも、氷山の一角だった
メソポタミアの外へ第1回・第2回で見てきたのは、メソポタミアから旧約聖書へと受け継がれた、一つの物語の系譜だった。シュメールのジウスドラから、アトラハシス、ウトナピシュティム、そしてノアへ——文化と時代を超えて、名前を変えながら生き延びてき...
大洪水神話 世界の大洪水神話(2) 「ノアの箱舟」はコピーだったのか? 1872年、大英博物館のスクープ
閲覧室で、男が服を脱ぎはじめた1872年、ロンドン。大英博物館の薄暗い閲覧室で、一人の男が机に向かっていた。名前はジョージ・スミス。正式な大学教育を受けたことのない、独学のくさび形文字解読者だった。もともとは紙幣印刷会社の彫刻見習いだったが...
伝説 伝承 世界の大洪水神話(1) なぜ人類は”神話”の中で同じ悪夢を見たのか
(神話シリーズ・大洪水神話 第1回/全3回)その一致に気づいたとき、研究者たちは鳥肌が立った想像してほしい。19世紀から20世紀にかけて、世界中の宣教師・探検家・人類学者たちが、それぞれ全く別の大陸で、現地の古老から伝承を聞き取っていた。メ...